皮膚科
こんな症状は
ありませんか?
舐めたり、かゆそうにしている
毛が抜けている(脱毛)
フケが出る・ベタベタ・赤み
体に虫がついている(ノミ・マダニ等)
体がにおう
できものがある
こんな病気の
可能性があります
暖かくなって、お散歩やお出かけしたら、急に体をかき始めた…黒い点々がついてる?
ノミアレルギーかも
- かゆがって掻いたり噛んだりする
- 腰周りやお尻周辺を特に痒がる
- 小さな赤いぶつぶつができる
- 掻き過ぎて一日でジクジクする
- ノミの糞(黒い粒)が毛の根元に見える

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ノミは自然界にたくさんいる虫です。散歩中に草むらに入ることで自然感染します。
ネコノミは顔が丸く、イヌノミは顔が四角い形をしています。ネコノミは名前に“ネコ”とありますが、犬・猫・人・ウサギなど幅広く寄生します。
「ノミアレルギー」は、ワンちゃんやネコちゃんにとって、多い皮膚のトラブルの一つです。「ちょっとかゆいのかな?」と様子を見ていたら、実はノミアレルギーだった…なんてことも少なくありません。
ノミアレルギーの治療には、ノミの駆除と痒みのコントロールと、お部屋の掃除が重要です。適切な駆除薬の使用と継続的な予防で改善が期待できます。 「急に最近よく掻いているな?」「黒いツブツブがついてるぞ」と思ったら、一度検査を受けてみましょう!
好きだったフードを食べると痒がる…趣味はおやつパーティ♡
食物アレルギーかも
- 特定のフードを食べた後に痒がる
- フードを変更してから症状が出る
- 顔周り、耳、足先を特に痒がる
- 季節に関係なく症状が続く
- 下痢や軟便を伴うことがある

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食物アレルギーは、特定の食材に含まれる成分に対して体の免疫が過剰に反応して起こります。長年食べ慣れていたフードが原因になることもあります。
主な原因として多いのは動物性タンパク質ですが、植物性タンパク質や穀類、野菜など、タンパク質以外の成分でも発症することがあります。(牛肉、豚肉、鶏肉、魚、小麦、大豆、乳製品、卵、ジャガイモ、米など)
原因は個体によってさまざまで、検査や食事管理による確認が必要です。
診断には「血液検査」で調べる方法もありますが、より確実に原因を突き止めるには「除去食試験」と呼ばれる特別な食事療法を、約8週間続ける必要があります。少し根気がいりますが、原因がわかれば症状が大きく改善することもあります。
「いつもと違うものを与えてから調子が悪いかも?」と感じたら、食事の記録をつけて相談してみましょう!
特定の季節に痒みがでる…おやつや食事にも気を付けているのに…
アトピー性皮膚炎かも
- 顔、耳、内股、足先によく症状が出る
- 皮膚が赤くなり、掻き傷ができやすい
- 若い頃から繰り返し症状が出る
- アトピーの出やすい種類の犬猫を飼っている(フレンチブルドッグ・柴犬、アビシニアンなど)
- 夜間に眠れないほど痒い

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アトピー性皮膚炎は、環境中のアレルゲン(花粉、ダニ、カビなど)に対する過敏反応です。人間のアトピーと似た仕組みで発症します。遺伝的な要因も関係しています。
この病気は根治は困難ですが、適切な治療とスキンケアで症状をコントロールすることができます。
治療には、薬物療法、スキンケア、環境改善を組み合わせたアプローチが重要です。最近では、より副作用の少ない新しい治療薬も登場しています。
「毎年同じ時期にかゆがるなあ…」と思ったら、まずはアレルギーの相談をしてみましょう。
症状や生活環境を伺ったうえで、必要に応じて検査や治療方法をご提案します。
トリミング室で薬浴(保険適応)等も行っています、詳細はこちらから≫
皮膚に赤いぶつぶつが出て痒がっている…
膿皮症(細菌性皮膚炎)かも
- 皮膚に赤いぶつぶつや膿を持った発疹がある
- 円形に毛が抜けてフケが出る
- かゆみがあり、掻いて悪化する
- 皮膚がジュクジュクして匂いがする
- お腹や背中によく症状が出る
- 大量に毛が抜ける

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膿皮症は皮膚病で最もよく見られる病気の一つです。
主な原因は、皮膚の常在菌(黄色ブドウ球菌など)が異常増殖して起こる感染症です。健康な皮膚では問題にならない菌も、アレルギーなどで皮膚のバリア機能が低下すると併発しやすくなります。
アレルギーが関係している場合、内股やお尻、肘の裏、脇の下など、アレルギー症状が出やすい部位に膿皮症が重なって現れることがよくあります。
また、免疫力の低下、外傷、不適切なシャンプーなど原因は様々です。
治療は、薬用シャンプーを使うのが基本ですが、場合によっては抗生物質の内服投与や注射を行います。根本的な原因である皮膚バリアの機能低下に対する治療も大切です。適切な治療、スキンケアにより、多くの場合2~4週間で改善が見られます。
「皮膚に赤いブツブツがある」「毛が抜ける」と気づいたら、一度獣医にご相談ください。
かゆみが強く、なかなか治りにくいこともあるため、早めの診察・治療が大切です。
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耳や皮膚が脂っぽくて匂う…
マラセチア症かも
- 皮膚が脂っぽく、べたつく
- 独特な酸っぱい匂いがする
- 耳の中が茶色く汚れている
- 痒みがあり、赤くなっている
- 内股や耳、指の間によく症状が出る

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マラセチア症は、マラセチアという酵母様真菌(カビの一種)が異常増殖して起こる皮膚病です。この菌は健康な動物の皮膚にも常在していますが、皮膚環境の変化により病原性を示します。 湿度の高い環境、皮脂の過剰分泌、免疫力の低下、アレルギーなどが発症の引き金となります。特に梅雨や夏場に悪化しやすいのが特徴です。
治療には抗真菌薬の使用と、薬用シャンプーによるスキンケアが効果的です。基礎疾患がある場合は、その治療も並行して行います。
パグやシーズーなどお鼻の短いワンちゃんや、耳の垂れているワンちゃんに多くみられます。
「なんだか脂っぽい匂いがする…」と感じたら、マラセチア症の可能性を疑ってみましょう!
新しく迎えた子犬・子猫に円形の脱毛が…もしかして
皮膚糸状菌症(真菌症)かも
- 飼い始めて数週間〜数ヶ月以内に症状が出る
- 円形から楕円形の脱毛がある
- 顔、耳、手足に症状が出やすい
- フケやかさぶたが見られる
- 軽度のかゆみがある場合もある

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飼い始めの子犬・子猫に多くみられる病気で、特にほかの動物と接する機会が多かった子は、お迎えした時点では無症状でも、生活環境の変化や免疫力の低下によって症状が現れることがあります。
また、年齢を重ねても免疫力が低下したときに発症することがあります。
治療は、薬用シャンプー・外用薬・内服薬を組み合わせて行います。免疫力が弱っている子ほど症状が出やすいため、早めのケアが大切です。
人にうつる場合もあるため、早めの診断と治療が重要です。
注意:この病気は人や他の動物にも感染します!
ペットと同じ時期に肌に異常が?ご家族も要チェックです。
高齢になって毛が薄くなり、皮膚がゴワゴワに。かゆみが少ない…
ホルモン性皮膚疾患かも
- 左右対称に毛が薄くなる
- 毛づやが悪くなる
- 毛を短く切った後、毛が伸びてこない
- 色素沈着で皮膚が黒ずむ
- 痒みはあまりない
- シニアになって症状が出てきた

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ホルモンのバランスが崩れることで起こる皮膚トラブルがあります。
甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、性ホルモンの異常などが知られています。
これらの病気では、ホルモンバランスの乱れにより皮膚の新陳代謝が悪くなり、特徴的な症状が現れます。皮膚症状だけでなく、元気消失、食欲の変化、水を多く飲むなどの全身症状を伴うことが多いです。
診断には血液検査によるホルモン値の測定が必要です。原因となるホルモン疾患の治療により、皮膚症状も改善が期待できます。 「毛が薄くなってきた」「なんだか元気がない」と感じたら、ホルモン検査を受けてみましょう!
ホルモン疾患の詳細はこちらから≫
皮膚にできものがある、いつからかしら?
皮膚腫瘍かも

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ワンちゃん・ネコちゃんの皮膚腫瘍は、比較的見つけやすいものですが、種類がとても多く、良性の場合もあれば悪性の場合もあります。
正確な診断のためには、細胞診(針で調べる検査)や皮膚生検(皮膚の一部を切り取る検査)が必要になる場合があります。
生検は局所麻酔で行えますが、腫瘍の場所によっては全身麻酔が必要になることもあります。早期発見・早期診断が治療の第一歩です。
そのほかの皮膚病
耳血腫(じけっしゅ)

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外耳炎により耳を掻きすぎることで発症します。
ほとんどは内科的治療で改善しますが、場合によっては手術が必要となることがあります。
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イヌに多い病名
●疥癬(かいせん)
●ニキビダニ症(毛包虫症)
●脂漏症
●先天性疾患
●免疫疾患
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ネコに多い病名
●好酸球性肉芽腫症候群:アレルギー反応により口の中やお尻(肛門周囲)などに炎症性の腫れができる病気です。
●心因性脱毛症(舐性皮膚炎)
●皮膚腫瘍
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長引く皮膚疾患でお悩みの
皮膚病の診療は、まず 飼い主様からじっくりお話を伺うこと から始まります。 そこから必要に応じて検査を行い、時間をかけて診断していきます。
ワンちゃん・ネコちゃんの飼い主様へ
皮膚病はどうしても治療に時間がかかることが多く、飼い主様も一緒に根気が必要になります。時には疲れてしまうこともあると思います。
だからこそ、私たちは 寄り添いながら優しくサポートすること を大切にしています。 -
シャンプーなどの スキンケア、体質に合った 食事、そして日々の 生活習慣の見直しまで、相談しながら一緒に考えていきましょう。
その他お気軽にご相談ください。
